なぜ産後に骨盤は歪むのでしょうか？

骨盤は腸骨、恥骨、坐骨、仙骨、尾骨という5つの骨からなります。

これらは軟骨や靭帯によって仙腸関節や恥骨結合となり『骨盤』を形成しています。

女性は生理の前後や妊娠、出産時に「リラキシン」というホルモンが体内に分泌されます。

「リラキシン」とは筋肉や関節、靭帯などに弾力性を持たせて弛める作用がある

ホルモンであり、妊娠の初期から分泌されます。

このホルモンの働きによって赤ちゃんが大きくなるにつれて骨盤が開いていきます。

出産してから元の身体へと戻ろうとする8週間を「産後の肥立ち」とか｢産褥期」と呼びます。

緩んだ靭帯は出産後に自然と妊娠前の状態に少しずつ戻ります。

それに合わせて開いた骨盤も戻っていきます。

ですが個人差はあるものの開いた骨盤が自然と元の状態に戻ってくれるという事は

あまり期待できません。

なぜならば出産とともに育児が待ったなしに始まり、慣れない姿勢での授乳や、

赤ちゃんの抱っこやおんぶ、緊張感の中での赤ちゃんの沐浴など、骨盤や身体に

左右不均衡な力が日常的に働くようになり、普段使わなかった筋肉も使うようになるからです。

また夜も、授乳やおむつの交換などで、睡眠不足となり身体をゆっくりと休める状況では

なくなります。

そうすると、元の状態に戻らずに開いたまま歪んで来たり、負担がかかって

硬くなった筋肉によって引っ張られたり、関節が動きを制限して正常な骨盤にも

歪みが生じてきます。

そしてそのまま放置しておくと、産後はホルモンの分泌量が減少するために靭帯や

関節の柔軟性が失われていきますので、開いたままや歪んだままの骨盤がそのままの状態で

定着してしまうのです。

通常の骨盤の歪みは横と前後の歪みがありますが、産後の骨盤は前後、左右の歪みに加えて

骨盤が外側に開いています。

ズボンのウエストが入るのに骨盤が引っ掛かるというのは、骨盤が外側に開いて

しまっているからです。

その様な歪んだ状態でばらばらになった骨盤を組み直さずに日常生活を送ると、

お尻は大きくポッコリお腹、足が太くなるなどの体型の崩れなどの症状や、

以前のような動きが出来ずに産前の体型に戻らないだけでなく、慢性的な腰痛や尿漏れ、

恥骨痛、猫背などの姿勢の悪化、むくみや冷え性、肩こり、片頭痛や疲労感、

倦怠感などの様々な身体の不調が出てくるようになります。

産後の骨盤矯正によるメリットとは？

当院での骨盤矯正のメリットは3つ挙げられます！

①血流が良くなり新陳代謝が促進することにより、ホルモンバランスや

自律神経の乱れが改善され、体内の活動が正常な状態に回復し活発になっていきます。

それにより産後の腰痛や尿漏れ、恥骨痛、首や肩こり、片頭痛などのお身体の不調の

改善効果が期待できます。

　「産後の尿漏れの改善」

出産直後に一時的に尿漏れを感じる女性が増えます。

それは妊娠や出産により尿道の周囲を引き締める「骨盤底筋」が弱くなってしまったり

出産時に赤ちゃんが産道を通る際、「骨盤底筋」が引き伸ばされたりして

大きな負担がかかるからです。

この「骨盤底筋」を引き締めてあげることで子宮や膀胱などが下がらないように

支えてくれるようになるので、尿漏れも改善していきます。

※当院での骨盤矯正では｢骨盤底筋｣の引き締め、腹筋や骨盤周りのインナーマッスルの

改善体操などを行っていきますので効果が期待できます。

②骨盤が整い、それまでの筋肉の不均衡が正常に戻るため、猫背や反り腰、O脚などの

姿勢の問題点が解消され、姿勢改善効果が得られます。

➂産後太りや、ポッコリお腹、出っ尻、下半身太り、下肢のむくみ、腰や骨盤周りのたるみが

改善され、美容効果が得られます。

血行が促進し代謝が良くなるのでホルモンバランスが向上し、お肌の質が以前の様に戻った

という嬉しい体験談も届いています。

産後の体型というのは、産後約6ヶ月以内に決まってしまうと言われています。

ですが、6ヶ月を経過していても3年以内であれば、多少時間はかかりますが産後の骨盤矯正は

可能です。

まず現在の骨盤の状態を的確に把握し丁寧に調整していきます。

左右のバランスや歪みを整えながら、骨盤を正常な状態へと戻していきます。

ポイントとして2つあります。

１つはお腹(白線)のゆるみを解消していきます。

2つめは骨盤底筋群の強化をしていきます。

産後はウエストが40㎝ほど伸びますが、腹筋が伸びているのではなく

お腹の真ん中にある白線と呼ばれる部位が左右に伸びています。

ですので、産後にいきなり腹筋を開始するのはNGになります。

骨盤底筋群は尿を止めたり、お尻をキュッと閉める時に必要な筋肉です。

この筋肉もかなり緩んでいますので元の強度に戻してあげます。

緩んだままだとお尻が大きくなってしまったり、足が外側に張って太くなるなどの

体型の崩れもこの筋肉が原因になります。

正しく筋肉や関節が動くようになった段階で運動や体操などを行うことにより

負担をかけることなく産前の状態に近づけていきます。

当院の産後の骨盤矯正は出産1ヶ月~2ヶ月後から受けることが出来ます。

出産は母体にかなりの負担がかかります。赤ちゃんが産道を通り生まれてくるまでに

通常では考えられないほどのかなりのダメージを母体に与えます。

1~2ヶ月は身体が回復していく回復期であり、体力もまだ戻っておらず無理な刺激により

さらなる体調の悪化や身体を痛めてしまう危険があります。

母体の回復状況や体調などを考慮しつつ慎重に判断しながら始めるのが良いでしょう。