世の中には「整骨院」や「接骨院」を始め、いろんな名称の院やサロンがあります。
では実際にどこに行けばいいのだろうか?と悩んでいる方も多いと思います。
それぞれの特徴をわかりやすく書いていきます。
まず整形外科を含めた医院やクリニック、病院です。
これらは国家資格を所持している医師や歯科医師が医療の提供をおこなう場所であり、
患者さんを収容するためのベッドを持つ施設をいいます。
ベッド数が20以上の収容施設を持つものを『病院』といい、19以下のベッド数の施設を
『診療所』『クリニック』と呼びます。
医療の職種に関連する法律は「医師法」、
医療施設に関連する法律は「医療法」によって厳しく定められており、
広告関連の制限や医師でないものが「病院」や「クリニック」といった医業の名称を
禁ずることも法律で定められています。
レントゲンやMRIといったような検査は病院でしか出来ませんし、
注射や経口薬(飲み薬)の処方は病院でしか出来ません。
次に「接骨院」「整骨院」「ほねつぎ」は呼び方が違うだけで全て同じです。
「柔道整復師」という国家資格を所持しており、開業する際には病院と同じように
保健所に開業届、保険を取り扱う場合には受領委任の申請を厚生局に
提出しなければなりません。
柔道整復師法という法律によってその業務内容も厳しく規定されています。
「整骨院」は申請が受理されれば、保険が扱えますが、病院と違い保険の適用できる
範囲はかなり限定的で厳しく法律で決められています。
「骨折」※応急の場合 継続する場合は医師の同意が必要
「脱臼」「捻挫」「打撲」「挫傷」のみであり、いずれも急性か外傷性が
明らかなものに限られます。
これ以外で保険を使うことは出来ません。
詐称して保険を使用することは不正請求に当たります。
カイロプラクティックとは、
「体の構造と機能に注目した手技療法を特徴とした
ヘルスケア(医療)であり、施術法は様々で主に背骨やその他の身体部位を
調整することにより痛みの緩和、関節可動域や機能の改善、身体の自然治癒能力を
高めることを目的としている」とあります。
要は簡単に言いますと、骨格の歪み、特に背骨の機能異常を手技によって調整していく事で神経の働きを回復していく療法です。人間の身体を主にコントロールするのは
脳からつながる中枢神経、末梢神経であり、その働きが良くなれば自然と人は
症状改善、健康増進になるという考えに基づいて施術をおこないます。
特徴的なのは「トムソンベッド」という特殊なベッドを用いて身体全体のバランスを
調整し、からだの様々な部分の働きを正常な状態に近づけて、身体の本来持っている
自然治癒能力を引き出していきます。
カイロプラクティックも日本では国家資格ではない民間療法になりますので、
自費診療となります。
マッサージとは、解剖学的・生理学的な知識に基づき手指や手根、手のひらを用いて、
直接体の表面から力学的刺激を加えて様々な生体反応を起こし、体の調子を整えたり
病気を治療したりなどの健康を増進させる施術をいいます。
基本的には原則、患者さんの手足から心臓に向かうよう(求心性)に手技を施します。
国内では「あんま指圧マッサージ師」という国家資格があり、理学療法の現場においては、
マッサージは運動療法の補助的手段として用いられ、医師の適切な指示が必要になります。
あんまマッサージ指圧師の国家資格を持っている人でなければ、マッサージという言葉を
使用することはできません。
利用する側がマッサージという言葉を使う分には問題ないのですが、
あんまマッサージ師の資格を持たない人や店側がサービスを行う際に
「マッサージする」とは自分からは使えないので、代わりに
「施術」とか「手技」、「トリートメント」などの文言を用います。
またマッサージをする人を「マッサージ師」ではなく、「施術者」とか「セラピスト」
「エスティシャン」などのように言い換えた名称を用いている場合が大半です。
マッサージの効果としては、手技による刺激によって筋肉をほぐすことで、静脈血液やリンパの流れが促進すると同時に動脈血液の流れも促されるので、血行が良くなりコリや
うっ血などを解消します。
血流が良くなると、各組織の働きや代謝も活発になるため疲労の回復を早めたり、
むくみの解消、ホルモンバランス、内分泌系や自律神経系の調節にも効果が期待できます。
また手技による刺激作用により鎮痛作用が働き、麻痺した神経の回復を促したり、
内臓機能の変調も整えてくれます。
先ほど述べた「カイロプラクティック」が西洋医学を基盤として、アメリカが発祥の手技療法であるのに対して、
マッサージとは元々ヨーロッパが発祥となっておりフランスやドイツから伝えられた
ものが、現在の国内におけるリハビリテーション医学の分野では主体になっています。
マッサージには、機械的効果(圧迫と緊張)、化学的効果、神経反射、心理的効果があり
理学療法の一つとして運動療法とともに医療の現場でリハビリや後療法に用いられたり、
スポーツの現場では、疲労や筋肉の回復、健康増進に利用されたりします。
最近ではこの「マッサージ」という言葉がかなり曖昧に使用されたり認識されており、
リラクゼーション目的の技術がマッサージと考えられているケースもあります。
ですが慰安や気晴らしなどのリラクゼーション目的や美容目的の施術は厳密には、
「マッサージ」に該当せず「整体」になります。
また検査をするのが「整体」でしないのが、「リラクゼーション」や「マッサージ」と
いわれるのも違います。
治療目的で使うのが「整体」で、リラクゼーション目的で使うのが「マッサージ」でもありません。
治療目的で「マッサージ」を使うこともあれば、リラクゼーション目的で「整体」を
する場合もたくさんあります。
一方、按摩(あんま)は中国で発祥し、朝鮮半島を経て日本に伝えられたという歴史があり、その後、日本独特の発展をしてきました。
このようにマッサージ師とは、国が認めた資格であり関連する法律などで、立場や
医療類似行為である施術内容が明確に規定されています。
それに対して、整体師は国家資格がありません。誰でもなれます。
あなたのご家族が「明日から整体院を開業するぞ!」と宣言したら、
明日から開業できますし、整体師になれます。
国家資格は必要ありません。保健所や厚生局も関係ありません。
今では、民間資格もかなり増えてきてはいますが基本的には無資格で就ける職業です。
カイロプラクティック、オステオパシー、タイ古式マッサージ、エスティシャン、
セラピストなども日本では整体師のカテゴリーになります。
このように整体師とは一般的に国家資格を持っていない民間療法を総称して指す場合が
多いです。
民間資格や無資格のものが、国家資格が必要な「病院」「クリニック」「接骨院」「整骨院」
「ほねつぎ」「鍼灸院」や「あんま指圧マッサージ」を開業することは出来ませんし、
名称を使用することも法律で禁止されています。
「整体」とは一般的に『薬剤を用いず、全身や手技によって骨格を調整し筋肉を揉んだり押したりしてほぐしながら、筋肉や関節の柔軟性を高め、内臓のバランスを整え健康増進や体質改善をはかる民間療法」と説明されます。
整体についてまとめると
「整体」とは現在ある様々な手技や流派、色々な施術法、ありとあらゆるセラピー技術など国家資格を除くすべてを指していいます。
「整体師」は国家資格を持たない、民間資格を含めた無資格の方を指します。
「整体院」は国家資格を持っているもの、無資格のもの、誰でもどなたでも開業することが出来ます。